百草サロンコーディネートシリーズ⑤
家で暮らす時間が長くなってから、季節が一周しようとしています。
着心地を求め、気候に合わせ調節し、季節感を感じることはもちろん、
意識や気持ちのスイッチを入れるためにも、衣服は大切だと思います。
長く愛せる衣服を大切に着て、素材の由来や作り手に想いを馳せながら力を貰い、
自分だけの好きなコーディネートを楽しみ日々を過ごしたいものです。
衣服に限りませんが、何を選び使うかにより、どのような仕事が、ここ日本に、世界にずっと残って欲しいかを左右する行為になることを、微力ながら感じています。
使えなくなるまで何シーズンも(ものや頻度、扱い方により何十シーズンも)着られる衣料品を、自信を持ってご紹介いたします。
これから春先に活躍するコーディネートのご提案です。
薄地ウールの裾あったかロングサロンを外側に、中に重ねサロンを合わせ、二枚で重ねばきをするコーディネートを、二通りご提案いたします。
重ねサロンを差し替え、靴下とコーディネートしてみました。
品の良いベージュ、白、黒のベーシックなチェックに合わせる最初のコーディネートは、サロンのチェックからの同系色でまとめてみました。当たり前の様な組み合わせが、まずは安心して身につけられます。きなりの重ねサロンに白のエジプシャンコットンのハイソックスが足元を軽やかに。サロンにあしらった黒部分があることで靴は黒を合わせても。
組み合わせた優しいパールベージュのロンスリフィットTシャツは顔写りを明るくし、組み合わせしやすく晒・黒とともにお勧めの色です。
もうひとパターンは、チェックやボーダーに合わせたい図柄、それは花柄です。履き口のポイントカラーと柄の中の色から、青磁の重ねサロンを合わせました。(靴下の柄の中に入っている一色の重ねサロンを合わせますと、繋がりが生まれ、柄同士の組み合わせでも、またサロンの中にない色を持ってきてもすっきりと纏まります。)
春らしい優しい色をプラスすることで、気持ちも上がります。
時に鮮やかな赤を挿し色に加えてバーバリーチェック風の雰囲気にしたり、というように、自在なコーディネートをぜひ楽しんでみてくださいね。
また、二枚の重ねサロンを重ね履きすることも可能で、どちらを外側に重ねるかで二通り、更に楽しむことができます!お好みで裾をずらし(上を引っ張って)履いてくださいね。
裾あったかロングの腰紐を利用しても、またそれぞれをサイドで結びばきをしても。
また重ねサロンを横にして、腰紐を通し、エプロンばきもお勧めです!
[各アイテム紹介]
■mon Sakata 30天竺フィットTシャツロンスリ パールベージュ
第二の肌、と言われるほど、肌触りと着用感のストレスの無いベーシックな30天竺生地を使用したmon Sakataの代表的なTシャツのフィットタイプ。
ぴったりと体に沿った美しい形はフィット感に優れ、秋口から寒さの残る季節に特にお勧めです。首回りや袖口、裾も細いロックがどんなコーディネートにもデザインの邪魔をせず、ひどく伸びてくることもありません(身体に沿った形に、自然に馴染んできます)。
私にとって、このフィットTシャツのロンスリ(ロングスリーブ)は長袖を着る季節の必需品で、ぴったりと手の甲までを覆ってくれるため、まさに第二の肌で、寒い時期はこの上にカシミアやウールなどを重ねたり、ワンピースを重ね着したり。
手の甲まであるロンスリは保温性が高いだけでなく、運転中の陽焼けなども防いでくれます。
「mon Sakata」坂田敏子 プロフィール
1977 古道具坂田の一角に子供服mon Sakataを始める
1983 独立して目白通りに移り、大人の服が中心となる
1997 新装mon Sakataに於いて20周年記念「糸・布・衣展」 浦京子・安藤明子・坂田敏子
2002 25周年を記念して『Sanmarutenjiku Fit T』出版(編集・山口デザイン事務所、撮影・奥秋貴子)
2017 40周年記念『40th mon Sakata 3.6』を出版(編集・山口デザイン事務所 写真・奥山晴日)
2018 大分県竹田市の作家達とコラボレーション(沼田塾)
沖縄県宗像堂のパンの発酵時に敷いていた布でインスタレーション(SHOKA)
各地のギャラリーにて展示会を続けている
■ANTIPAST ソックス BOTANICAL IVORY
花々とリボンのモチーフで,ブーケを髣髴とさせるテキスタイルのソックス。
ロマンティックなイメージながら,シックなカラーリングで甘すぎずコーディネートしやすいデザインに仕上がっています。
「ANTIPAST」ブランド紹介
テキスタイルデザイナーとして活動していたジヌシジュンコとカトウキョウコが,雑誌や広告用のコスチュームやアクセサリーを共同で製作し始めたことからブランドをスタート。
イタリア料理の前菜を意味するブランド名には、ファッションにおいて洋服をメインディッシュとすると小物は前菜にあたり、ファッションの楽しみを刺激する存在でありたいという想いが込められている。
また、ANTI-PAST“過去ではなく"=未来に向かってという意味もあり、自由にスタイリングを楽しむためのオリジナリティ溢れるクリエーションを行っている。
■momogusa × KIMURA'エジプシャンコットン ハイソックス COOL WHITE
薄手で伸びのよいエジプト綿を使用。 上品なツヤとしなやかさを持ち合わせています。 長めのハイソックスなので、膝下でお好みで折り返し、長めのハイソックスの丈でサロンに合わせるのがお勧めです。 重ねサロンと共にオールシーズン履いていただけます。
「KIMURA` 」木村友美 プロフィール
2005 百草のスタッフになる
当時スタッフだった朋子さん(のちにオントルポを始められる)と出会う
うつくしいものに触れながら、夢中ではたらく
2011 自身で何か始めるべく、百草を卒業することにする
オントルポの肌着や靴下の製作が終了することを朋子さんより聞く同時に靴下を製作しないかと声をかけていただく
2012 1月 百草を卒業、11月KIMURA`を立ち上げ、オントルポの靴下を一部引継ぐ形で製作開始
2013 オリジナルの靴下を作りはじめる
2017 コラボソックス「momogusa * KIMURA`」の製作がはじまる
2019 「MONO JAPAN 2019」出展(アムステルダム)
■単サロン裾あったかロング 薄地ウール タータンチェック beige +20/10 黒
この時期に活躍する薄地ウールの裾あったかロングサロンです。
上端のウエストから腰あたりまでがコットン100%の知多木綿20/10ガーゼ生地(定番20 /10ゴムズボンと同じ生地)、腰あたりから裾までが、 薄地ウール タータンチェックbeigeです。寒さが増す、やや肌寒い秋口や春先は、重ねサロンや裾滑らかサロンを内側に重ねて素足に。また、冬期は更に寒気から暖かさを綴じ込めるように、目の詰まったお手持ちのコットンやリネン、ウールのサロンを覆うように上から重ねて履くのもお勧めです。(お好みで丈を調節し、裾の重なりを見せても)
極薄手のウールのためサロンの筒を二重に折り、首に二周くぐらせてスヌードにも。ウールがチクチクする方は、首にガーゼ部分が接するように。
【単サロン・裾あったか/単サロン・裾あったかロング】
・身体に沿いやすく丈夫な20/10ガーゼを上部に継ぐことで、重ねばきをした時もウエスト部分の収まりが良いのが特徴です。
・重ねサロンを内側に重ねる事で、素足の場合は直接ウールが肌に接してチクチクするのを防ぎ、重ねサロンのみをこまめにお洗濯できますので、ウールのサロンの洗濯回数を減らせます。重ねサロンのガーゼからチクチクが響く場合は、裾滑らかサロンなど目の詰まったコットンやシルク地のものをお試しください(レギンス・タイツに重ねる場合も滑りが良くお勧めです)。
※履く前に裾を上にして裾の出方を作ってから、上部の重なっている部分の適当な場所をひと折りして下から履きますと二枚がずれる事なく、綺麗に裾の見え方を作る事ができます。
・寒い日には、暖かさを閉じ込めるよう、綿タッサなどの下に重ねばきをする事で保温力が高まります。
二枚を重ね、しっかりと背中あたりから少しずつひっぱりウエストに沿わせ、紐を当てる位置にシワ(ギャザー)が入らないようにしてから、このサロンに付属している20/10ガーゼ紐を掛けると、滑りにくく、収まりも良く、着崩れしにくいのでお勧めです。
外側に巻いた綿タッサなどの紐は、最後にひと巻き腰位置で巻いて蝶結びや片わな結びにし、その時ミニバッグなどを通すのもお勧めです。装飾とポケットの実用、さらに着崩れにくくなり、腰が気持ち良く安定します。
※この時、サロンの下にペチスカート・ゴムズボン・綿やリネン地のフレアゴムスカートやレギンス・タイツなどを履き、肌に直接ウールが付かないように履いて頂きますと、チクチクするのを防ぎお洗濯回数を減らせます。(写真7では薄地コットンのギャザースカートを中に履いた上にサロン2枚を重ね履きしており、足捌きよくさらに保温性を高めます)
・同様に、リネンのサロンなど、夏は中に重ねサロンとの重ね履きで楽しんだサロンを寒い時期も楽しむ場合に、このサロンを中に重ねばきしますと、夏向のサロンでも一年中ご着用頂けます。シックな色合いのため、コーディネートしやすいのでとてもお勧めです。上記と同様に履いていただくと重ねた2枚がきれいに添い寒々しさもありません。
・また極寒期には、重ねサロンと裾あったか(ロング)を20/10紐を用いて重ねばきした上に、さらに一枚、寒風をブロックするような厚地木綿や綿タッサ、またしっかりリネンの単サロンや裾捻りサロンなどを重ねることもお勧めです。その場合は紐を2回使用することとなりますが、(中の紐をガーゼにする事で)さほど嵩張りは気になりませんが、お好みにより最後のサロンは高さをずらし腰位置で紐を巻くのも気持ち良く、布の摩擦で上にずり上がることもまずありません。
・以上は、ボトムのスカートとしての履き方をご案内しましたが、ウエストがすっきりと収まり暖かなこのタイプのサロンは、脇役として、お手持ちのワンピースやスカートの下に履いていただくことで、暖かさや見えたときのニュアンスをプラスできます。軽めでオールシーズンのシルクやコットン、リネンなどの下にもお勧めです。
■重ねサロン 2.0段 生成 93㎝丈
■重ねサロン 2.0段 青磁 93㎝丈
下記説明をご参照ください
【単(ひとえ)サロンと重ねサロン】
共布の腰紐付きの単(一重・ひとえ)のサロンのことを「単(ひとえ)サロン」と呼んでいます。外側に履くように作っております。
それに対し、紐のついていない「重ねサロン」は、単サロンの内側に重ねるためのサロンで、重ねたまま一緒にタックを取り、単サロンの腰紐を用いて履くため、腰紐は付いておりません。
素肌ばきの時に肌に接し汗取りや保温の役割を果たす、肌着やペチコートの役割として作っているサロンで、裾から、また腰紐上の布を折り返し好きな量を覗かせ配色を楽しむことができる他、巾を1/2にしてスヌードにしたりタオルや風呂敷にもなる多様布です。
素肌ばきをせず、レギンスやタイツの上に重ねサロンが接する場合、ガーゼと、レギンスまたはタイツがくっついて、足捌きが悪くなったり、重ねサロンが中でめくれあがってきてしまう事があります。それを解消するには、①着付け(ウェストと腰の差を利用してぴったりウエストに当たる布をウエストに沿わせてタック部分が斜め下になるようにAラインに着付けることでかなりくっつきやすさは解消されます)②足が引っかからず出やすくするよう、重ねサロンと、レギンスやタイツの間に、滑りの良い生地の(ペチ)スカートや(ペチ)パンツを履いていただくことにより解消します。百草の製品では、20/10ガーゼゴムズボンSS・S(定番丈でサロンを履く場合)・M・L(足首・マキシ丈でサロンを履く場合)、ペチスカート、ペチパンツ、フレアゴムスカートなどをお勧めしております。
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【サロンの着付けなど】
・momogusaネームが縫い付けてある方を裾裏にし、履くときに左下に合わせて下さい。
・リーフレットの着付けを参照にしながら、着付けしてください。仁王立ちに立ち、タック先が右サイドに来るようにウエストから腰にぴったりに、力一杯タック先を引っ張って沿わせ、紐はお腹から両手で背中へ、沿わせるようにして置き、両手で前へ持ってきて、説明のように固定します。裾広がりに着付けますと足捌きもよく着崩れしにくいです。
・着付けに慣れるコツは、とにかく毎日繰り返し履くことです。普段着・外出着・仕事着・お洒落着に。組み合わせるコーディネート次第で楽しめます。また寒い時期は家で過ごす時間に、着衣のどんな服装の上にも、固定できる膝掛け感覚で気軽に巻いていただくのをお勧めします。
・また外出着としてだけでなく、家での暮らしの中で、例えばお風呂上がり、ガウンのように腰に巻いたり、スヌードやケープとして羽織るものもお勧めです。
・お洗濯のおりは、本体と共に紐も一緒に洗って下さい。
(経年変化を同じにするため)
・リーフレット掲載の畳み方で保管して下さい。
・百草サロンは、本来は「着付けを対面でお伝えし、実際に着付けを体験して頂くこと」を販売の一部として考案した衣服です。
通信販売のみでご購入頂きました場合、できましたら最寄りの店・ギャラリーでの個展やサロン着付け講習会、百草にて、是非実際の着付けを体験いただける機会をお持ちいただけますと幸いです。取り扱い店・ギャラリーや展覧会予定を百草ホームページ「安藤明子 展覧会予定」でご確認くださいませ。
・百草でも常時季節のサロンをご紹介し、着付けをさせていただけます。できましたら通信販売でお求めいただきました旨をお伝え頂いたり、事前にご連絡いただけますと基本からの着付けをお伝えさせて頂き、また安藤明子よりできるだけ着付けさせて頂きます。企画展でサロンのご紹介をさせていただく機会もございます。→ホームページ「企画展」をご覧ください。
不定期で行う「サロン着付け講習会」も是非ご利用くださいませ。
ご遠方の方には恐縮でございますが、状況に応じ、お出掛けいただけましたらと存じます。お待ち申し上げております。
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□単サロン 裾あったかロング 薄地ウール タータンチェック beige +20/10 黒
92㎝丈
wool100% 20/10部分:cotton 100%
[お手入れ]
洗濯機のドライマーク洗いコース・手洗い(紐も一緒に)
□重ねサロン 2.0段 生成 93㎝丈 cotton 100%
□重ねサロン 2.0段 青磁 93㎝丈 cotton 100%
□mon Sakata フィットロンスリ パールベージュ
cotton100% 身幅40㎝/肩幅35㎝/袖丈69㎝/袖幅14㎝
□ANTIPAST BOTANICAL
IVORY
wool 70% nylon30% かかとから履き口まで約25㎝
□momogusa × KIMURA' エジプシャンコットン ハイソックス
COOL WHITE
Egyptian cotton 70% / Nylon 30%
かかとから履き口まで約50㎝
計6点