mahora第6号
美しい場所、すぐれた場所を意味する「mahora」。
日常の暮らしや自然、それを彩る芸術など、日々感じる”美しさ”は太鼓の時代からこれからの未来もずっと繰り返されるでしょう。
”美”というあり方をテーマに、美しい造本と共に丁寧に編集されています。
_
土と人と宇宙の豊かさを集めた本、『mahora』の第6号のご案内です。
今号では、創刊以来初めて特集を設けました。テーマは「芸術以前」。
ここで言う「芸術」とは、貨幣経済・後期資本主義や学術的権威との結びつきや文脈化、それらによって生じたヒエラルキーと、それを前提につくりあげられた制度そのもの、構造全体を指します。
本特集では、3人の論者と4人の創作者の表現を通して、そうした「芸術」が生まれる前の姿を探ります。人間にとって、創作とは、美とは、何か、生命はなぜ、生命以外の存在を生みだしたのか、無から有が立ち上がる瞬間に、何が起こっているのか――何らかのヒントになれば幸いです。
その他、美術家・安野谷昌穂さんによる詩の創作、音楽家・アーティストの蓮沼執太さんによる長野県小海町の滞在制作記、耕作放棄地を「100年続く森」へと野生化を図る上原寿香さんのエッセイなどを収録。また、本をめぐる取材記事では書店をはじめとする「本のある場所」の歴史と現在を探りました(取材協力=曲線、白線文庫、普遍と静謐、MOUNT COFFEE)。
そして編集後記では、編集・発行人が生まれて初めて詩を書きました。ご笑覧ください。
刊行は、2024年3月20日、春分。萌えいずる季節に合わせ、若草色の紐で「稲穂結び」を施しています。
多くのみなさまとご縁が結ばれますように。
►『mahora』第6号・目次(敬称略)
■私の光
安野谷昌穂=文
■一〇〇〇年の森の一日
上原寿香=文 中緒公志=写真
■見えない海
蓮沼執太=文
[特集]芸術以前
■むすひのみこともち――藝術以前の「藝術」について
江尻潔=文
■グレート・コックスウェルの納屋とウィリアム・モリス
土田眞紀=文
■世界認識としての藝術 人の歴史の階梯を辿る
芳賀満=文
■創作の風景
榊仁胡、居相大輝、伏木庸平、榊智子=文・アートワーク
■本のある場所
岡澤浩太郎=文・取材
■[連載]Memoriae
第三回 父と庭といくつかの会話
ジョアンナ・タガダ・ホフベック=文・アートワーク
金沢みなみ=翻訳・編集協力
■[今号の結び]稲穂結び
関根みゆき=文
編集後記に代えて
判型=四六判変形
頁数=120頁
定価=3,800円(消費税/送料別)
ISBN=978-4-908636-07-3
発行=八燿堂
編集/発行人=岡澤浩太郎
結び監修=関根みゆき
デザイン=須山悠里